2014年3月26日水曜日

スパイスのチカラ

ふいにスパイスが欲しくなりました。
ぼくが急にスパイスが欲しくなったのはこれを読んだから。
ミラ・メータ『はじめてのインド料理』。



ロングセラーのインド料理本みたいです。
奥深いスパイス道に近づくのはしきいが高かったんですが、これを読んで、「お、これならぼくにも出来そうじゃん」と開眼。この本に書かれてるのはインドの「家庭料理」。奥深いインドのスパイス道が和食懐石みたいな世界とすると、日本でも家庭で作る料理が懐石ではないように、インド料理も日々はそんな肩肘張ったものではないわけで。インドで「カレー」というのは日本で「味噌汁」というのと同じようなもので、日本人が毎日味噌汁を食べても別に問題ないように、インドで毎日カレー料理は驚くようなことではない。ベースの味付けはおおよそ同じで、毎日具材の種類が変わる汁物というくくりらしい。

インド家庭料理のカレーは作り方もけっこう簡単。
最初に、ローリエ、粒胡椒、シナモンスティック、赤唐辛子なんかを軽くいためて風味を出し、具材を炒める。クミン、コリアンダー、ターメリックなど、各種スパイスを加えて、カレー味のベースを決定。あとはトマトピューレやヨーグルトやギー(溶かしバター)やなんやかんやを加えて出来上がり、というのがおおまかな流れらしい。インドの主夫は20種類以上のスパイスを使いこなすらしいけど、この日本でそこまでする必要はなくて(したければすればいいんだろうけど)、カレー味の基本になるのが、クミン、コリアンダー、ターメリック。クミンとコリアンダーが味のベース。ターメリックは「うこん」だけど、カレー色のおおもとであり、漢方薬くさいような匂いのするあれだよね。入れすぎると抹香臭くなるので注意が必要らしい。辛みはチリペッパー(唐辛子粉)で調整すればよく、日本ではカレー=辛いものという認識だが、インドではそういうわけではなく、子供や年寄りには辛くないカレーを作るらしい。さすが本場はふところが広いですな。

ミラ・メータさんの本を読んで好印象だったのが、最初に必要なスパイスの一覧が書いてあって、「これだけあれば作れます」というふうになっていて、普通の料理本だとあとからあとから必要な調味料が出て来て「まだこんなにいるんかい」状態になること多であるけど、最初に提示されたスパイス以上は出てこないので、精神衛生上よろしい。料理本なんかを見ていて「これ美味そうだけどこんなに調味料いるんだったら無理だな」とあきらめること多くないですか。

それから、ミラ・メータさんの本とはちょっと外れるけれど、インド料理といって是非作ってみたいのがチャイ。あれこれスパイスが集まったらぜひスパイスたっぷり配合の本格インドチャイを作ってみたい。とか夢はいろいろ広がるんだけど、それも早く療養生活が空けないと実現できませんな。早く寛解の日よ来ーい。


ミラ・メータさんの本に載っている基本のスパイス13種
ベイリーフ(ローレル)
黒こしょう(粒)
カルダモン
サフラン 高級品なのでなかなか買えない
シナモンスティック
クミンシード
赤とうがらし
コリアンダーパウダー
ターメリック
クミンパウダー
レ度チリパウダー
黒こしょう(粒)
ガラムマサラ


本格チャイの配合一覧
決まった配合はないわけで好きなように調合して良いらしいですよ。

配合その1(2人分)
クローブ(ホール)2粒
カルダモン(ホール)2粒
シナモンスティック 1/2本
しょうが 薄切り2片
水 1カップ
紅茶の葉 小さじ2
牛乳 1カップ
砂糖 小さじ2

配合その2
紅茶 小さじ1
カルダモンパウダー 小さじ1/2
シナモンパウダー 小さじ1/2
しょうが(すりおろし)小さじ1/2
クローブ 1個
牛乳 175cc
砂糖 大さじ1
水 350cc

配合その3
カルダモン、クローブ、ジンジャー、シナモン、ペッパー、クミン
水 250cc
牛乳 300cc
砂糖 30g


こんな本を読んでスパイスの勉強をしたり
『スパイス名人宣言』朝岡勇・朝岡和子 著