2014年3月4日火曜日

好きな料理本とか「高山なおみさんののんびり作る おいしい料理」

「高山なおみさんののんびり作る おいしい料理」を読んで「ウォーいい本だなー」と感動した。高山なおみさんの本(レシピ)はこれまでに読んだことがあって、どういう料理を作る人なのかは知っていたけど、いままで読んだなかでこの本がいちばん好きだった。存在は知っていたからもっと早く手にとっておけばよかった。やっぱり、作家でも料理人でもそうだと思うけど、初期の作品というのがその人のエッセンスが詰まっていていちばんよいものかもしれない。あとの作品というのは、洗練はされてくるのかもしれないけど、中身がうすまってくる。アノニマスタジオから出ている本はおしゃれかもしれないけど、ぼくはあんまり好きじゃないなあ。この本の方が流れている時間がゆっくりしている気がして、こういう言い方はあんまり好きじゃないが、読んでいて気持ちがほっこりした。はしばしに書かれたエッセイも秀逸。おかしな言い方だけど、料理人の抽斗というのもある程度数が決まっているから、最近の著作はどうも同じネタの使い回しという感じがいなめないけど、この本はウブ出しという感じがする。ほんとは2002年の本だからうぶだしじゃないのかもしれないけど。あとは、雑誌の連載というのもいいのかもしれないなあと思う。ぼくは書き下ろしよりも何かの連載の方が好きな気がする。書き下ろしはどうしても書いている方がダレてくるというか、中だるみする。それよりも読み切りの方が、書く方も集中している分、密度も濃い。その本を作るためにかけた絶対的な時間の量は、絶対的に重要なものなんだろうと思う。