あれだけ巻けない巻けないといっていたおひなまきが最近巻けるようになりました。いや、といっても巻けないんですが(起きている間は)、寝てる間だけ、巻かせてくれるようになりました。巻かれるのは基本的に嫌いなので、巻くと「イーーーーッ!!!」と言って怒るんだが、それでも5分ほどすると諦めるのか、以前ほど苦ではなくなったのか、そのまま寝てくれるようになった。
転機になったのはたぶん6ヵ月を迎える少し前くらいだったと思う。
生後2ヵ月になるくらいからおひなまきにはチャレンジし続けてきたものの、足のピンピンがひどくて、まったく巻くことが出来ず、スリングに入れるときだけギリギリ巻かせてもらっていたがそれ以外はまったくだめで、ひたすら挫折し続けること早5ヵ月。おひなまきに巻けなくてもまったく泣かない良い子ちゃんなら問題ないが、うちの子どもはそんなことはまったくなく、いちばん悪い頃よりは良くなったかなあという程度で、5ヵ月になってもよく泣いていたし、あと一歩だよなあと感じていた当時。ちょうどその頃、助産師さんに首すわりをチェックしてもらう機会があって、首すわりをみてもらうと・・・案の定、うちの子どもは首がすわっていなかった。
それでぼくらもゲッとなった。
発達を急がせる気はまったくなかったが、それでもあと少しで6ヵ月なのに、首がすわってないのはちょっとまずい。それでぼくらは、もう一度本腰を入れて、まんまるにしなければと褌を締め直したのだ。それまでも、まんまるはやっているとはいえ、おひなまきにどうしても巻けていなかったから、達成率は5割くらいだなあという感じで、胸を張って「まんまる育児やっています」とは言えない状況で、だから巻こう巻こうと頑張っていたんだけど、それでもど〜〜〜しても巻けず、若干挫折気味(ダレ気味)だった。しかし、5ヵ月になっても首すわりがまだとなると話はまた違って来て、巻けるなら巻いてあげたいとかそんな悠長なことは言っておれんという感じで、尻に火がついたのだ。
そこであらためて考え直してみると、ぼくらが赤ん坊をおひなまきしようと思っていたのは、その方が赤ん坊がラクだからとか、泣き止むから、赤ん坊が好きな格好だから、とか、つまり、巻く事でなんとか赤ん坊を泣き止ませて、自分たちがラクをしようと思っているからではないか、ということに気づいた。思えばぼくらはおひなまきに巻く事で、赤ん坊を泣かずに布団に降ろせるようになることを期待していた。おひなまきでは泣き止まない、ということを、ぼくらはばかみたいに5ヵ月間繰り返していたわけだ。しかし、小さく見れば巻ける時間はあるわけで、発想の転換、「巻けないなら巻いてあればいいじゃないか」ということで、おひなまきでラクしようという発想は止めにして、ぼくらがひたすらしもべとなって、赤子様におひなまきをして差し上げることにした。
授乳のあいだ、スリングで移動、昼寝もどうせ布団でしないならとおひなまきのまま抱っこ。夜寝る時も、出来るかぎり巻く、深夜におひなまきが外れたらまた巻き直す。といってもぼくが授乳するわけでもなく、スリングも使えるわけではないので、全部妻がやったんだが(すみません)いちばん大変なのが赤ん坊の昼寝で、午前中一時間、午後二時間、おひなまきした赤ん坊をスリングでくくりつけてイスで昼寝というスケジュールを続けること数週間。
ものの一ヵ月とたたないうちに、夜寝るときにまで、おひなまきを巻かせてもらえるようになりました(呆然)。ぼくらがこの5ヵ月間やってきたのは何だったんだ、と呆然とすると同時に、おひなまきの力に呆然。やっぱりおひなまきって凄いなあ。やっぱりこれが赤ん坊には最強のケアなんじゃないだろうか。姿勢を整えることで、自己治癒的に自分の体をほぐすという。おひなまきに巻き続けるうち、赤ん坊の状態はみるみる良くなって、からだもだいぶほわほわになり、ほっぺたもつやつやのピンク、夜もよく寝るし、授乳の間隔も3時間にあき、あろうことか、昼寝までおひなまきに巻いた状態で寝ところまでやってきました。といっても赤ん坊に何か辛いことを強いたわけでなくて、おひなまきしては抱っこのくり返しだから、むしろ快適だったのではと思う。
というわけで。いまでもただおひなまきに巻いておくのは出来ないが、寝るときには巻けるところまで到達しました。こんなことならもっと早くから巻けるだけ巻いてあげていれば良かったなあ。しかし徐々に徐々に状態が良くなってきたから巻けるところまで来たのかもしれないけど。もっと前には赤ん坊にまだ準備ができていなかったかもしれない。ただおひなまきに巻くだけじゃ駄目で(当初はおひなまきにも巻けないからだだった)整体とかケアで体を整えてもらって、やっとここまで来たのかもしれないからなあ。ぼくたちがやってきたことを反省するに、おひなまきに巻くと決めたなら、徹底的に巻かないと意味がない気がする。巻きかけて赤ん坊がいやがるから可哀想と止めたり、でも出来れば巻いときたいと中途半端に巻いたり巻かなかったりするのはあんまり意味がないんじゃないかな。もちろん効果はゼロでないにしても、やるならやるで一気にやってあげた方が、赤ん坊にも負担が少ないように思う。