2015年5月15日金曜日

公園デビュー

公園デビューをした。

本当は少し前から出来たのかもしれないが、うちは赤ん坊の生まれて当初、泣いて泣いて仕方がなく、外出するなんてとんでもないという感じだったので、公園とかそういうものがあることをすっかり忘れていたのだ。

しかし、最近赤ん坊がつかまり立ちしまくることに若干疲れ、家のような狭いところにいるからつかまり立ちするので、もっと広いところに連れて行ったらいいんじゃないかと思ったので、公園を思い出した。これから暑くなってくるととてもじゃないが外に出られなくなるので、今が最後の気候かもしれない。それで、先日別の用事もあったので(マンションが断水した)普段はいかないようなちょっと遠方の公園まで遠出したのだが、しかし、最近のお母さんたちはオシャレなんだなあと感心した。

芝生の広がるきれいで雰囲気のいい公園で、あちこちの木陰で、レジャーシートをひいた人々が、お昼をしたりお弁当を食べたり、なかにはそれこそヨガをしている人たちもいて、これぞ正しい公園の使い方だなあと思ったりしたんだが、たくさんの子供連れがいて、赤ん坊連れも多く、ほとんど田舎(のマンションの一室)から出ないぼくらは、はじめて赤ん坊連れの母親たちの生態を目撃した。

ぼくのところの赤ん坊よりずっと小さな月齢の子もいて、まだ寝返りもせず、母親はごろんと赤ん坊をシートに転がらせていたのだけど、うちではそんなことは考えられなかったから(普通に布団におろすことがまったく出来なかった)本当に泣かない赤ちゃんというのはいるんだなあと目を見張った。そしてその寝返りも打たない赤ん坊に母親が離乳食を流し込んでいることにも。うちなんて流し込もうにも厭がって受けつけなかったと思うから、本当に手のかからないい子ちゃんはいるもんだなあと感心した。赤ん坊連れは大勢いたが、本当に、どこの赤ん坊もまったく泣いていなくて、世の中の赤ん坊はこんなにも泣かないものなのかと思った。あんなに泣いていたのはうちだけなんだろうか。

母親たちはみんな、公園で赤ん坊とくつろぐにふさわしいファッションに身をつつみ、あたまには必ず帽子、カジュアル、といった格好をして、田舎からもんぺをそのまま履いて出て来たようなぼくら親子は、場違いなことこの上なかった。なかでも、目をひいたのがとなりにいた母親たちで、雑誌に出て来そうなおしゃれな彼女たちは、保存容器のようなガラス瓶でサラダを食べていて「なんじゃあれは」と度肝を抜かれた。(「ジャーサラダ」と言うらしい。後で妻から聞いた。いま流行っているそうだ。)

とそんなまわりに萎縮されっぱなしのぼくだったが、うちの赤ん坊はというと、せっかく公園まで出かけたのだが、レジャーシートの上でひとしきりぼくのかばんをあさり、広いところではいはいさせようと促してもシートから外に出ず、結局ぼくらは家にいるのとほとんど変わらない時間を過ごしたのだった。何をしに来たのか?と思いつつ、赤ん坊が外の空気を吸えたのでそれで良しとするべきなのか。


教訓:田舎者は田舎者らしく都会の公園になどのこのこ出向くべからず。